今日から4回にわたって、日本が直面する新たな技術の波と、私たちの選択について考えていきたいと思います。
はじめに:気づかないうちに変化に飲み込まれる私たち
「気づいたら、世界が変わっていた。」
そんな経験をしたことはありませんか?
GAFAMの台頭、スマートフォンの普及、そして最近では生成AIの登場。私たちは急速な技術革新の波に飲み込まれてきました。多くの日本企業がこれらの変化に乗り遅れ、主導権を海外勢力に奪われた結果、今日の日本ではデジタル赤字が大きな課題となっています。
そして今、新たな波が押し寄せています。それが暗号資産とWeb3.0です。この波は、私たちの金融システムや経済のあり方を根本から変えようとしています。しかし、多くの人々はまだこの変化に気づいていません。まるで煮カエルのように。
第1章:金融庁コメントが与えた影響—ステーブルコイン発行への慎重論
2023年5月、金融庁は銀行によるステーブルコイン発行に対して慎重な姿勢を示しました。
この公式コメントは、日本国内の銀行がステーブルコイン発行を躊躇する状況を生み出しました。その結果、銀行業界全体でステーブルコインへの取り組みが停滞し、日本全体としてグローバル競争から取り残される形となっています。これは、デジタル赤字をさらに拡大させる可能性があります。
第2章:VC投資動向—日本国内で冷え込む暗号資産関連投資
暗号資産関連で、かつて活発だった日本国内のVC投資も、急速に冷え込んでいます。その主な要因は、市場崩壊と信頼喪失、規制環境への懸念、そして投資対象としてAI分野へのシフトです。しかし、このAI分野へのシフトも「煮カエル」状態からの脱却を目指す後手対応であり、クラウドサービス戦争の二の舞になる可能性があります。次回は、日本のブロックチェーン開発者不足の実態と、ステーブルコインが地域創生やインバウンド需要にもたらす可能性について深掘りします。日本の未来は、この新たな波にどう向き合うかにかかっています。
次回もぜひご覧ください。(以下、第2回、第3回、第4回と続きます)
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